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トルコは政教分離国家   〜ひとりごと第71回〜

5月17日、国家評議会が銃を持った29歳の弁護士アルスランという男性により襲撃され、会議を行っていた国家評議会のメンバー5人が襲われ、その中のひとりである裁判官オズビルギン氏が死亡するという悲惨な事件が発生。(右の絵は事件発生時の様子:Hurriyet紙より)

アルスランは「私はアッラーの兵士である」「アッラーの怒りを受けるのだ」と叫びながら会議室を襲撃。弁護士である身分上、この建物に簡単に入ることができたArslanは、この会議の責任者ビルデン氏を訪ねてきたが、会議中であるために係員に拒否されたにもかかわらず強引に入室し、この事件を起こしたもの。実はBilden氏とOzbilgin氏は先日最高裁判所で審議されたスカーフに関する裁判にかかわっていたのです。

トルコでは現在、国家公務員のスカーフの着用を禁止しています。教員も国家公務員であるために同様です。そんな中、幼稚園で先生をしている女性が通勤時にスカーフを着用していることが判明してから園長という職務につけず他の任務につかされたことに対する処置取り消しの申し出に対し、通勤時であってもスカーフ着用は園長に相応しくないためやむをえないという判決が下ったことが今回の襲撃の原因と言われています。

この事件を知ったセゼル大統領は、厳しい態度でこの事件を批判。「政教分離をどんな形式で批評しても民主主義をそして国家制度を崩壊させることは誰の力によっても満たされない。」という声明を発表し、この事件に対する怒りを示しました。また、この襲撃の原因を作ったと思われる行為を一から綿密に調べ上げることも示唆。これは原理主義新聞Vakitが先日の審議の裁判官の名前や写真を掲載して強く批判したことも調査の対象にしているものと伝えられています。


そんな中、事件の翌日である18日には国家評議会の最高責任者であるチョルトオゥル氏を始めとする裁判所関係者達や教員他多くの一般市民も含めて1万人以上の人々がこの事件をプロテストするためにアンカラにあるアタチュルク廟に集結。裁判所の外であっても政教分離国家の秩序を守る任務を更に強化すること、そして政教分離に対する意思は一層強いものとなったことを訴えました。

また、裁判所、評議会及び憲法裁判所の責任者は、アタチュルク廟で「どのような力によっても我々が築いてきた道を変えることはできない。」という言葉を共同で記帳し、アタチュルクの思想を守り続けることに対する新たなる決意を示しました。

現在トルコ国内のメディアはこの事件に対するものばかりです。非常に繊細で複雑な内容のためにこの1ページに書き切れない事が沢山あります。共和国の歴史上の汚点となってしまったこの事件に対する波紋はこれからも広がっていくことでしょう。油断を許さない緊張した状況であることは間違いありません。政教分離とは何か、アタチュルクが本来求めていたものは何かを原点に戻り熟考し、これ以上の被害者を出すことなく平和な解決策がとられることをただ願うだけです。

(2006年5月19日)


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