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土を食べるトルコ人達:地中海に蔓延する遺伝子の病   〜ひとりごと第227回〜

いきなり「土を食べる」という言葉を見ると、なんだかふざけた内容かと思われるかもしれませんが、今回はとっても真面目なお話です。

思い起こせば結婚当初、主人が、「僕のおばあちゃんは、よく土を食べていたらしい。」と話した時、絶句になった私を見て、「他の人でも土を食べる人はいるみたい。」と付け加えたものの、私は内心変わった家族(家系)に嫁いでしまったのかなぁ?とちょっと動揺したことがあったのです。

そんな話はしばらく忘れていたのですが、アンタルヤに引っ越して来て間もない頃、ふらりと入った香辛料店で不思議な物体を発見。お店の人にそれが何かと聞いてみると、店員さんは普通に「土♪」と返答。「・・・???何のため?」と聞くと、店員さんは当たり前のように「食べるため、時々食べたくなる人がいるみたい。」と。 そのときになって何年か前に主人から聞いたおばあちゃんの話を思い出し、変に納得しちゃいました。販売されていたものは、まさに土。乾燥したような状態で全然おいしそうじゃなかったなぁ。 でもこれは今からお話する病気の昔ながらの民間療法だったのかも。

トルコ語で一般にAkdeniz Anemisi(アクデニズ アネミシ)、正式にはTalasemi(タラセミ)、日本語では地中海貧血、正式にはBeta(β)Thalassemia(ベータ サラセミア)と呼ばれる病気をご存知でしょうか?

これは血液(ヘモグロビン)の遺伝子異常による貧血のことで、主にトルコ南部の地中海沿岸地域から東部のギリシャ海沿岸地域、ギリシャ、南イタリア、南フランス、スペイン等に住む人々に多く、少ないながらも東〜東南アジアや西アフリカ、日本でも確認されているようです。

地中海貧血は、保有者(Minor)と患者(Major)の2種類に分けられます。

保有者は、遺伝子異常が見られても軽い症状の場合ならだるさや倦怠感程度のものであること、しかも比較的新しく認知された病気のため、未だ知名度は低いようで普通の貧血と混同されることも多いようです。また全く自覚症状がない人もいるらしい。普通の貧血との違いは簡単に言うと貧血は血の不足であるのに対し、地中海貧血は血の減少という感じでしょうか。従って治療法や薬も異なります。現在トルコ国内には約200万人の保有者がいると考えられています。

しかし、、、、

患者となると非常に症状が重くなります。 両親が共に保有者だった場合、生まれてくる子供の25%が患者になる可能性があるのです。通常生後6ヶ月頃から症状が重くなり約3週間に1度の輸血を続け、3歳頃には週5回特別なポンプにより薬を注入する必要があります。その後も投薬以外に毎日注射が必要になったり、骨髄移植が必要となったり、、、。残念ながら現在完治する治療法は見つかっていないため、一生治療を続けないといけないというもの。また保有者同士に生まれる子供の残りの可能性としては、50%は保有者、25%が正常となります。両親のうちどちらか一方のみが保有者の場合、患者となる可能性はゼロ、保有者になる可能性は50%。

近年トルコにおいてTalasemi連合会が発足され、主に地中海とエーゲ海地方を中心にこの病気について国民に知識を得てもらうための集会、血液検査推奨等の活動を行っているようです。また来年5月にはアンタルヤで「第12回国際サラセミア&異常ヘモグロビン(血色素)症会議」が開催されるとのこと。この病気についての知識が広く伝わり、貧血なのか地中海貧血なのかを自覚できる人が多くなり正しい治療で快適な毎日が過ごせるようになればいいですね。

最初にお話した香辛料店員の話では、「土は貧血の人がむしょうに食べたくなるもの!」とはっきりと言ってました。「土の中には鉄やカルシウムが入っているのでこれを食べると楽になるらしい。」と。主人のおばあさんがただの貧血だったのか地中海貧血だったのか今となってはわからないけれど、地中海沿岸出身者なので、もし地中海貧血だったのなら主人も可能性がありえるし、私の娘もその血を受け継いでいるのだから保有者でないとは言い切れない。2人にいずれ検査をしてもらうのが良案かも。

(2010年11月10日)

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